大理石の彫刻「ダビデ像」をご存知でしょうか。
ミケランジェロによる1504年の作で美術の教科書には必ずといって良いほど登場しています。

このダビデ像、当初はヴェッキオ宮殿の入り口脇に置かれていたのですが1873年に破損や酸性雨などによる侵食から保護するためアカデミア美術館内へ移設されました。

酸性雨は石炭や石油などの化石燃料が燃えたときに生じる硫黄酸化物(SOx)や窒素酸化物(NOx)などが大気の中に拡がり、それが雨に溶け込むことによって発生します。
硫黄酸化物は水と反応することで硫酸や亜硫酸を生じますので、万物にとって悪い影響を与えることは想像に難くありませんね。

酸性雨は自動車にとっても迷惑な物質で、自動車のボディは塗装で防錆保護されていますがその塗装そのものも酸化物質により浸食されることがあります。
雨中に含んだ酸化物質はボディ表面に水滴となって付着し、水分は次第に蒸発するのですが、酸化物質は蒸発せずボディ表面に濃縮された状態で残留してしまいます
この残留した酸化物質が塗装面を徐々に溶かしてしまい、いわゆる”雨じみ”の発生につながります。

ということで雨ジミの発生を防ぐには…3つのソリューション
①ボディを濡らさない
 「雨の日には乗らない」という最も安全な選択ですが現実的ではありません。
②ボディ表面に水滴を残さない
 水滴を都度拭き取るという手もありますが、コーティングによってボディ表面に排水性能を付加し、水滴をうまく流してしまおうという選択です。
 コーティング剤の性能としては低撥水タイプがこれにあたります。
③ボディ表面に水滴をつくらない
 ②の解に近いのですが、そもそも水滴=水玉をつくらなければ雨ジミにならないのでは?という発想の解です。
 コーティング剤の性能で親水タイプがこれで、ボディに拡がった雨滴が膜状に連なり排水されるというものです。

昔に比べると硫黄酸化物の濃度は相当に下がったそうですが、それでも酸性雨は軽視できない避けるべき物質です。
愛車をいたわる皆様、ぜひ雨後のお手入れは怠らずに。